地球温暖化を防止するため二酸化炭素排出量の抑制や50年後と見込まれる原油の枯渇が懸念される中で、「環境の世紀」21世紀は、化石エネルギー社会から究極のクリーンエネルギーである水素を利用する水素エネルギー社会に転換する世紀とも言われています。水素を用いる燃料電池発電は、クリーンで高効率なエネルギー変換システムであり、政府も行動計画を策定しているところです。
水素の利用には、その生成、貯蔵、輸送方法に加え、燃料電池などによる利用方法に係る一連の技術開発が必要となります。水素社会実現のためには、これらの技術課題を克服し、さらに社会的受容性の向上を図っていくことが同時に求められます。
幸い、福岡県には、文部科学省21世紀COEプログラムにおいて水素利用技術の研究開発について唯一採択された九州大学(「水素利用機械システムの統合技術」)、水素燃料バスや燃料電池自動車の生産拠点となり得る自動車産業、副生水素を保有する企業群の集積があります。
九州大学新キャンパスでは、水素利用技術研究センターを活用し、全国に類のない高圧水素下での材料強度試験、トライボロジー特性研究、耐圧試験をはじめとして燃料電池の性能向上研究、燃料電池システムにおける各種機械要素の開発研究、水素ステーションや地下駐車場などのインフラに関する開発研究など、水素社会の実現に欠かせない研究開発を総合的に実施する計画です。
これらの動きを踏まえ、福岡県において、九州大学を中心とした技術開発および実証を中核に「福岡水素エネルギー戦略会議」を平成16年8月3日に産学官連携の下に組織しました。 今後は、環境にやさしい水素エネルギー社会の構築を先導する地域形成を総合的に図ってまいります。
つきましては、何卒、本会議の趣旨をご賢察の上、参加いただきますよう、ご案内申し上げます。
|